#02 裁ちばさみ
研ぎに出していた裁ちばさみが帰ってきました。
お願いしたお店は天明3年(1783年)創業「うぶけや」
CADの使い方を覚えたいと
弊社の業務を手伝いに来てくれてる子がいるのですが
「うぶけや」の跡継ぎと知り合いらしく、用事のついでに研ぎをお願いしていました。
かなり錆びが目立っていた鋏ですが新品のように美しく仕上がっています。
指定がなければネジの締め具合は購入時の締め具合にしてもらえるようです。
ネジの締め具合で厚地用(固め)、薄地用(緩め)と調整するようです。
「無銘だけどよく切れるよ」と、随分昔に師匠からいただいた1丁。
握りやすく力の掛け具合が丁度よく直線、曲線共に扱いやすく切りやすい1丁です
左から「木屋」、「無銘」、「庄三郎」、「CLOVER」。
ネジから親指穴までの距離が順に短くなるように木目に沿って並べてみました
親指穴までの距離が長いと直線は切りやすいのですが
作業中、次第に握力が必要になってくる、曲線など小回りが利きにくいなどがあり
親指穴までの距離が短くなるにつれて小さなパーツの裁断には扱いやすいのですが
長い直線などは裁断しにくいといった事があります。
といっても自分が裁断するのはトワル地の小さなパーツが多いですし
結局はその日の感覚・気分で同じ鋏をそのまま使い続けるという事が多いですね。